フルモデルチェンジを受けて、2020年12月23日に発売された日産『ノート』に試乗してきました。
ルノーと共有するプラットフォームとなり、デザインもガラリと変わってより精悍に。実物を見るとコンパクトながらも塊感があります。
注目は全車「e-POWER」を採用したこと。それは後半の試乗の部分で。
まずスタイルですが、キムタクさんのCMでおなじみ、今年発売が噂される電気自動車『アリア』に通じるデザイン。
EVの『アリア』が兄としたら、e-POWERの『ノート』は弟のような感じでしょうか。
新型Vモーションクロームやフロントからリアまで一本の線でつながるライン、そして水平に広がるシグネチャーのリアコンビランプが印象的です。
個人的にはこのフロントマスク、スター・ウォーズに出てくる賞金稼ぎキャラのボバ・フェットを思い出しました。
一方、室内は、外に向かって広がるようなデザインのインストルメントパネルに、センターディスプレイと一体化したメーターを装備。
先進感が感じられるけど、それ以上に真面目というか少々お堅いというか…。
インパネやメーター、ステアリングのスイッチなどに直線やスクエアが多く、以前試乗したトヨタ『ジャパンタクシー』の内装を思い出しました。
一方、シートやドアトリムは疾走感あるデザインが特徴です。
そして、センターコンソールはまるで高架橋みたいな造りが個性的。上がシフトレバーと収納、下の収納スペースはBOXティッシュを置くことができるほどの広さです。
後席はニールーム、ヘッドルームともにまずまずのゆとり。
ルノーと共同開発のプラットフォームを使用し、全長は短くなったものの、室内の広さは犠牲になっていないようです。
荷室は、このサイズでは十分。日常生活で積む荷物ならストレスを感じることはないのではないでしょうか。
加速&減速、静粛性が進化
そして最も注目すべきは、第二世代『e-POWER』がみせる走り。
今回は新潟日産モーター は〜とぴあ五泉店さんから試乗車をお借りし、ショールームから咲花温泉までを往復ドライブしました。
まず、小型の電制シフトレバー操作してスタート。
発進から力強く、途中加速もアクセルを踏み込んでからタイムラグなしで反応してくれます。さすがモーター駆動。
フロントが軽く感じられるようなステアリングフィールでしたが、これはスタッドレスタイヤのせいかな? フラフラしているのではなく、軽快という意味です。ボディはガッチリとしていて直進安定性も優れています。
乗り心地はスポーティだけど、キビキビ&クイックの手前くらい。以前試乗した『キックス』に似ていて、ステアリングを切ったときの反応が神経質ではなく、ほどよい感じ。
まさに『キックス』の重心低いバージョンだと思いました。
とくに素晴らしい部分は静粛性。まるでワンランク上の排気量のクルマに乗っているようです。走行中、発電用にエンジンが始動しても、微かに聞こえる程度でほとんど気にならないです。
システム制御によりエンジンの作動頻度を減らしたり、車体の遮音性能も向上させたそうです。ちなみに路面状態からロードノイズが大きいと判断した場合には、積極的に発電を行う制御システムも採用しました。
数km走ったあたりから、「ノーマル」「エコ」「スポーツ」と3つあるドライブモードを積極的に切り替えて、その違いを体感することにしました。
まずはノーマルモードの印象から。
e-POWER搭載車って、アクセルペダルから足を離したときの回生ブレーキは慣れない人にはクセを感じるかもしれません。
しかしノーマルモードでは、まったく違和感のないフィール。乗り馴れたガソリンAT車のエンブレのようです。
新しい『e-POWER』は力強い加速だけでなく、滑らかな減速も進化のポイントなんですね。
続いてスポーツモードに切り替えたら、今度は加速も減速も自分の右足次第のような感覚で楽しさアップ!
スポーツモードとエコモードは加速の設定が異なりますが、回生ブレーキは共に強め。アクセルペダルの戻し具合で積極的にフロント荷重をかけられるので、曲がり角などクルマとの一体感も楽しいです。
五泉市から国道49号へと向かう途中、阿賀野川に架かる馬下橋の手前、咲花温泉線の入口で撮影しましたが、ここから咲花温泉までの一本道はとても好きです。
エメラルドグリーンの阿賀野川を左手に走る、若干高低差があるこのストリートは、なんとなくラリーのターマック気分。法定速度で走っても気持ちよいです。
咲花温泉に向かって走る、山と川に挟まれた約2.2kmの間に、日常の喧噪モードから非日常のリラックスモードへと心のスイッチも切り替わっていくようです。…泊まりにいきたいなぁ、咲花温泉。
今回試乗したのは2WDですが、4WD車は4輪すべてをモーターで駆動・制御します。
減速時は4輪の減速力を高精度に制御するため、車体をフラットに保ったまま安定して減速することができるそうです。
また、コーナリングにおいては、前後の駆動力の配分を自在に変えることができるため、滑りやすい路面でも高い性能を発揮。
雪国新潟には4WDが売れそうですね。今年の冬はドカっと降ったし。
また、「360°セーフティサポート」を実現する先進安全技術を搭載するなど、全方向での安全性も向上。「プロパイロット」はナビゲーションシステムとの連携機能も追加されました(『X』グレードオプション)。
制限速度の変化に伴う設定速度の切り替えや、カーブの大きさに応じた減速をシステムが支援し、ドライバーの操作頻度を軽減してくれるそうです。
『ノート』はこんな方にオススメ
新型『ノート』を検討する方は、『ヤリス』『フィット』も意識すると思いますが、この3台、みんな素晴らしいコンパクトカーです。
あとは何を優先するか、デザインやボディカラーの好みなどだと思います。
そのなかで『ノート』は、コンパクトだけどワンランク上の静かさを求める方、質感の高い走りを求める方におすすめできると思います。
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