トヨタ『ジャパンタクシー(JPN TAXI)』は、おもてなし装備が満載【360°写真&動画付き試乗記】

乗る人すべてにやさしいユニバーサルデザイン

2020年の東京オリンピック・パラリンピックで、海外旅行者たちの移動に大活躍が期待されているタクシー専用車、トヨタ『JPN TAXI(ジャパンタクシー)』。

新潟トヨペット新潟本店さんからお借りした試乗車は、上級グレードの『匠』。タクシー専用車だから試乗車はないかもなぁ…と思いつつ、お願いしてみたところ「あります。いいですよ」との返事。ラッキーでした。

さて、試乗当日は雨天。人を運ぶことを生業とする「タクシー」は、雨に打たれる姿もサマになります。フェンダーミラーや厚みのあるフロントマスクなど、レトロとモダンが入り混じったようなデザイン。さらに、ひと目でタクシーと思わせる深藍(こいあい)のボディカラーなど、流行とは一線を画したスタイルが印象的です。

フロア高320mmの低床フラットフロアや、開口高1300mmの大開口リアスライドドア(左側のみ)を採用。スロープで車椅子のまま後席に乗り降りできるし、ニークリアランスやヘッドクリアランスに十分なゆとりがあり、大柄の人でもゆったりできるはず。

さらに足元をはじめ、乗降用のアシストグリップや吊り革タイプのアシストグリップ、タクシー代金を払うお皿など、人が手を添える部位には黄色のラインがあり、お客さんが無意識に気づくような配慮がされています。

また、USB端子はもちろん、後席に座った人が夜間でも手帳を確認できる読書灯なんてものもあって、こんな細かいおもてなし装備は、いかにも日本車らしいと思いました。

なお、荷室はスーツケースなら平積みで2個、ゴルフバッグなら4個積むことができるので海外旅行者も安心の大容量ってとこでしょうか。全長4400mm×全幅1695mm×全高1740mmのサイズで、よくこれだけのスペースを確保できるもんですね。

そして運転席に座ってみると、一般車両とは異なる光景に「ヘ〜」「なるほどね〜」と感心しきり。ドライバー空間なんて、なんだかガンダムのボディのような、アメフト選手の防具みたいな造りですね。

でもこの凹凸感や直角な感じは好きだなぁ。

※試乗車はナビと料金メーターを装着していない状態

スイッチの配置ひとつに「お客さま第一」と思わせる装備が目につきます。

ステアリングにハザードランプボタンがあるのはタクシー専用車ならでは。走行中にお客さんを発見したら、すぐに右手親指で押して一時停止できますもんね。

また、お客さんが乗り降りする後席左側スライドドアの開閉は、運転席ドア内側にあるパワーウィンドースイッチの近くにあるスイッチで行ないます。確かにこの場所にあるとスムーズに操作できます。そして、エアコンの操作スイッチも右手でサッと操作できるよう、右側のエアコン吹き出し口の下にありました。

 

ちなみに室内の360度写真を撮ってみましたのでご覧ください!

 

タクシーの運転手さん気分でドアを開閉する様子も360°動画で撮影してみました。

 

ソフトで上質な乗り心地の「快適移動空間」

『JPN TAXI』の動力は、LPG(液化石油ガス)とモーターのハイブリッドです。

LPGを運転するのは初めてですが、さらにモーターとのハイブリッドときたもんだ。ちなみに燃費はリッター19.4km(JC08モード)。なかなか良いですねぇと思ってしまいましたが、そういえばLPGは燃料代もガソリンよりはるかにやすい(確かガソリン車の6割とか7割とか)し、環境にやさしいのも特徴です。

さて、お楽しみはやっばりドライブ。スタート時はモーターで静かに発進。走行中にエンジンがかかってもショックはなく、わずかにエンジン音が聞こえる程度。

フェンダーミラーを採用していますが、首を降ることなく、視線もほとんど変えることなく斜め後の車両が見えます。フェンダーミラーってこんなにラクなんだったっけ?と再認識しました。

ハンドリングはいい意味でゆるい感じ。スポーツカーのようにステアリングを切った瞬間、高剛性ボディが反応してスッと動くのではなく、むしろほんの一瞬タメがあってからやさしく車体がついていく感じです。前回乗った『スイフトスポーツ』とはまったく異なるものです。

そして足はやわらかめだけど、ふわふわユラユラではないし、段差があっても飛び跳ねることはありません。

厚みがあるシートを採用していることもあり、乗り心地はソフトで上質。静粛性も高く快適な移動のひとときが過ごせます。

窓ガラスが大きいこともあり、外人さんは東京など日本の景色を眺めながら、オリンピック会場や宿泊するホテルに移動するのかな?なんて想像しながら、タクシーの運転手さん気分でドライブできました。

 

ちなみにタイヤはダンロップなんですが、ふと銘柄を見たら「SP TX-01」と書いてありました。

もしかしてSPは「スペシャル」、TXは「タクシー」で、「タクシースペシャル」という意味か?と勝手に想像しつつ、ダンロップの公式HPを調べたら、とりあえずタクシー専用タイヤでした。


※ダンロップ公式HPより引用。

ただし「SP TX」英語の意味が「タクシースペシャル」かは分かりません…。

最後に試乗を終えて、ショールームに戻ってエンジンを切った瞬間、インフォメーションディスプレイにはこんな表示がでました。

低燃費を競うゲーム? タクシーの運転手さん同士で、ゲーム感覚で燃料代を節約するためか? と思いきや、ふと気づきました。これは2020東京オリンピック・パラリンピックの表彰台ですね。シャレが利いてるぜ、トヨタさん!

 

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