昨年秋、約1年半ぶりの新モデルとして登場したフィアットの電気自動車『600e』。今回、フィアット/アバルト新潟から試乗車を借りてドライプしてきました。
イタリア語で『500e』はチンクエチェントイーと読みますが、『600e』はセイチェントイーと読むそうです。
これからはロッピャクイーじゃなくて、通っぽくセイチェントイーって言いおうと思います・笑。
さて、新型『600e』は、ひと目でフィアットとわかる、丸みのある可愛らしいデザインが特徴的です。
初代『600』や、電気自動車の『500e』へのオマージュが随所に感じられます。とくに丸みを帯びたLEDライトや、足元を引き締める18インチのダイヤモンドカットアルミホイールなどが目を引きます。
試乗したのは『600e La Prima White Package』。ヘッドライト周りは確かに『500e』に似ており、細部にわたるこだわりが感じられます。ボディサイズはSUVの『500X』に近い感覚です。
【ボディサイズ比較】
600e: 全長 4,200 mm x 全幅 1,780 mm x 全高 1,595 mm
500e: 全長 3,630 mm x 全幅 1,685 mm x 全高 1,530 mm
500X: 全長 4,280-4,295 mm x 全幅 1,795 mm x 全高 1,610 mm
運転席に乗り込むと、外観と同様に丸みのあるデザインが広がり、可愛らしい印象を受けます。インテリアは、アイボリーカラーを基調にブラックが組み合わされ、インパネデザインも楕円形が可愛らしさを際立たせています。
シートは上質感のある革製で、弾力のある座り心地の良さに加え、青いステッチが美しいアクセントになっています。まるでソファに座っているかのような快適さで、長距離移動でも疲れにくそうです。
特に感心したのは、センターコンソールの広大な収納スペース。小さなバッグならすっぽり収まるほどで、ドリンクや携帯電話、化粧品など、取り出したいものがスマートに収納でき便利だと感じました。
後席の広さもサイズを考えれば十分ですし、360ℓもの容量を誇るラゲッジルームは、レジャーやアウトドアにも十分に活躍してくれるそうです。
今回は新潟市中央区のフィアット/アバルト新潟ショールームを出発し、新潟市南区の「しろね大凧と歴史の館」まで、信濃川沿いの道をドライブしました。
電気自動車ならではのスムーズな加速とソフトな乗り心地で、リラックスして運転できました。
ハンドリングは穏やかで、スタビリティを強く意識させるよりも、ゆったりとした操縦感が印象的。路面の凹凸はそこそこ拾いますが、ソフトな足回りとソファのようなシートが相まって、全体的に心地よい乗り味となっています。まるでシートもサスペンションの役割も果たしているかのようでした。
ドライブモードを「スポーツ」に切り替えるとパワーフィールが一変。アクセルを踏み込む量が少なくてもパワーが湧き出し、爽快な加速力を発揮してくれました。
静かで力強い走りとともに、運転時のステアリングをサポートする機能やシートマッサージ機能など、充実した運転支援機能も搭載されており、安全面への配慮も抜かりありません。
WLTCモードで493kmと、航続距離も十分。街乗りからちょっとした遠出まで、日常使いには申し分ない性能ではないでしょうか。
試乗車のボディカラーは「サンセット・オレンジ」。夕日を見ることができる新潟の風景にはぴったりの色合いで、晴れた夕暮れ時に海沿いをドライブしたら、とても気持ちが良いだろうと想像させてくれました。
ちなみに以前、兄弟車であるジープ『アベンジャー』に試乗しましたが、明らかにドライブフィールが異なり、メーカーの味付けの違いを感じました。
>ジープ『アベンジャー』試乗記はコチラ(2025.1.10)
フィアット『600e』は、その愛らしいデザインと快適な乗り心地、EVらしい静かさと加速力で、毎日の運転をイタリアの明るいノリで楽しく過ごさせてくれる、そんな魅力あふれる一台でした。