公道試乗で分かった『ホンダe』のリアルなこと|試乗記

新型電気自動車『ホンダe』が登場しましたが、私迷っています。買うかどうかではありません(買えません。450万円は無理…)。

それは車名を『ホンダe』と書けばいいのか、ホンダ『e』なのか…。はたまたホンダ『ホンダe』なのか、それならホンダ『Honda e』と書いた方が視覚的にしっくりくるし…。メーカー名と車名の在り方がややこしい。まるで『スバルXV』のようです。

…まぁ、どっちでもe(いい)か…、さっさとホンダe(ほんだい…本題)にいくか…なんてちゃって。これがe(言い)たかったでけです…。すみません。この辺でやめておきます。

さて、自分用に乗るクルマは「生涯3ペダルマニュアルの小さなクルマ」を決めている私(今49歳。あと25年乗るとして、中古MT車を選べばイケる)。

ですのでコンパクトジャンルは大好き。当然『ホンダe』は3ペダルマニュアルではないけれど、興味をそそる部分があるんです。…それは『RR』であること。

『ホンダe』はRR! リアモーター・リアディゾン…じゃなくてリアモーター・リア駆動ですよ。後席にリアディゾンがいた方が、リア駆動よりすごいけど。

昔乗っていたスバル『サンバー』を思い出します。そのときの楽しかった運転感覚とはまったく別モノだろうけど、『ホンダe』に俄然興味が湧いてきました。

コンパクトでRRといえば『ルノー トゥインゴ』。とはいえガソリンとEVでまったく違うし、重さが1.5倍くらい違う。この2台を比べることは、井上尚弥選手と那須川天心選手を比べるようなもんか…いや全然違う。どちらかといえば、那須川天心選手とマーク・ハント選手がまだ近い。

けど、マークハントは170cmくらいと思っていたけど、結構大きかった。戦っていた相手が大きかっただけか。…何の話だ。

…と、いつもよりテンション高めの自分を客観視し、『ホンダe』に対してワクワクしている自分に気がつきました。

というわけで本題へ。今回試乗車を貸してくださったのはホンダカーズ新潟中央 松崎店さん。自由気ままに書いているのに、いつも本当にありがとうございます。

試乗車のグレードは上級タイプの『アドバンス』。では早速チェック!

テザインだけで欲しくなる久々のクルマ

初代『シビック』に似ているデザインはシンプルでキュート。それでいてモダン。ボンネット中央にある給電ポートは全面ガラスで美しいです。

ボイネット開けるとこんな感じでびっくりしたわ

サイズは全長×全幅×全高=3895mm×1750mm×1510mm。もしかして『フィット』ベース? なんて思っていたけど、コンパクトEVパッケージとして一から骨格を造ったそうです。

全長は『フィット』より10~20cm短めで、全幅は『フィット』より2.5~5.5cm広め。そして高さは『フィット』より0.5~5.5cm高いです。※『フィット』はタイプによりサイズが異なります。

フィット試乗記はこちら

車重が1540㎏(『アドバンス』)と結構重いのがどう運転に影響しているのか、このあとのドライブが楽しみです。

実物を目の前にすると、結構かたまり感があります。

そして独特の飛び出るドアノブを引いて、シートに座ってみると目に入ってくる光景がとにかく新鮮! コクピットであると同時にリビングのよう。

インパネには5つのスクリーンが水平に並んでおり、中央には12.3インチのスクリーンを2画面並べた「ワイドスクリーン Honda CONNECT ディスプレー」が配置されています。

運転席や助手席でそれぞれ表示機能を選択したり、左右のアプリを入れかえたりなどの操作ができるそうです。

さらに、スマートフォンとの接続によって音楽アプリやエンターテイメントアプリを表示できるとのこと。新しい車内の過ごし方が生まれそうですね。

リビングテーブルのようなぬくもりを感じる自然な風合いのウッド調パネルも印象的。

そして室内左右の端には6インチのモニターがありますが、実はこれがバックミラーの役割。

通常のサイドミラー同様、映像の位置を前後左右に調整できる機能もありました。そりゃあるか。

ドアの外側にある170万画素の高精細カメラを採用するサイドカメラミラーシステムが、昼夜や天候を問わず映像を撮影し、室内にあるモニターに映します。

一方、後部座席は広々とまでは言えないものの、大人二人が十分座れるスペースを確保。ちなみに乗車定員は4人です。


リアドアのノブも個性的。室内もそうですがあちらこちらがシームレスですな

ダウンライト式のLEDルームライトを装備する点もユニーク。

未来的な装備としては「Hondaパーソナルアシスタント」を搭載しており、「OK! ホンダ」と呼びかけると、音声認識してリアルタイムに情報を提供してくれます。そして昨今おなじみの「Honda CONNECT」も搭載。コネクテッドサービス「Honda Total Care プレミアム」が使えます(申込みが必要)。

もはやおしゃれなリビングみたいな部分もあり、ここまでクルマが進化してくると、自分のクルマ(先進安全装備もナビすらもない古い5MT)なんて『ホンダe』と馬、どっちに近いかといえば、もはや馬の方が近い気がしてきました。。。

さて、装備云々に触れたあとは、いよいよ乗馬へ…じゃないドライブへ。

RR+トルクのあるEVらしい走りが楽しい

さて、お楽しみのドライブへ。ショールームを出発するときのウインカーのカチカチ音からしてちょっと独特。チッカチッカでなくメカ的なカチカチという音。

走りだして早々に感じたのは、デジタルのサイドミラーが見やすいし使いやすいってこと。一般的なドアミラーと比べても違和感がなく、モニターも鮮明。

「なぜオレ、平気なんだろう?」と自分でも思って考えてみましたが、きっと画面のフレームがサイドミラーっぽい形状になっているからじゃないかと思いました。

もし、最近の家庭用テレビみたいに平面だったら使いづらかったかもしれません。画面周囲がまるでサイドミラーのような形だから、脳がすんなり受け入れてくれたのでは? と思いました。

もしかしたら近い未来、「サイドミラー? 後ろを見るのが鏡ってスゲ~アナログじゃね。逆にいいね」なんて時代がくるのかもね。

一方、センターカメラミラーシテスム(デジタルのルームミラー)は、見たとき一瞬、焦点が合わないこともあり、通常の鏡モードにしました。

小柄でシート位置が結構前方で、なおかつ老眼な方は、目からミラーまでの位置が近いと私みたいにピントが合いづらいかもです。

走りだしてまず感じたのは、ボディ剛性と直進安定性の高さ。コンパクトながら上質な乗り心地です。

駆動と操舵の役割が分かれているRRの恩恵でしょうか。重いもの(モーター)が後ろの低い位置にあるのを走りながら感じることができました。

サンシェード付きスカイルーフで爽快ドライブ

とくに街中の十字路を曲がって加速するときが、クルッ&スーッ!とスムーズに気持ちよく操作できます。なにせ最小回転半径4.3mと軽自動車と比べても優れていますからね。

ボディの重さ(試乗車の『アドバンス』は1,540kg)を若干感じますが、発進と同時に32.1キロのトルクが出るので、走りに重たさは感じません。

ノーマルモードとスポーツモードがありますが、ノーマルモードでさえアクセルをグッと踏んだ瞬間、後輪から押し出されるような力強い加速が楽しめます。

ただ街中のゆるい凹凸があるような道をノロノロ走っているときは、ボディの重さから生まれる慣性を足回りが若干抑えきれてない気がしました。とはいえ気になるレベルではありません。

また、足でアクセルを踏むイラストのボタン(下写真中央)があったので押してみると、「シングルぺダルコントロール オン」の表示がでました。

これはアクセルだけのワンペダル操作が可能になるモードでした。ノートe-POWERのような、ブレーキいらずの運転が可能です。

好みやシーンに合わせて使い分けると楽しそうですね。また、今回は試しませんでしたが狭い駐車スペースでも安心して駐車できるよう、駐車支援システム「Honda パーキングパイロット」を搭載しています。

あと、降りる直前に気づいたのがフロントガラスに細~い線があったこと。これは熱線(デアイサー)。センターカメラミラーシステム同様、上級タイプ『アドバンス』専用の装備です。ただし熱線は運転中はほとんど気になりません。

デアイサ-が見えやすいようにあえて加工した画像です。それでも微かに見える程度ですね

なお、おなじみの安全運転支援システム「Honda SENSING」は標準装備。衝突軽減ブレーキや誤発信抑制機能をはじめ、最新の11の機能を装備しています。

Honda SENSING専用サイトでは、イラスト動画もあって分かりやすく解説しています。

また、『ホンダe』はクルマの電気を家庭で利用できるV2H(Vehicle to Home)や、機器などの電源となるV2L(Vehicle to Load)に対応。

停電や非常時の際の安心につながりますね。

EVで楽しさを生み出したホンダらしいクルマ

というわけで試乗してみての結論は、シンプル&モダンなデザイン・オリジナリティの高い室内空間&装備・パワフルなRRの走りなど、EV車であることよりも、先ずわくわくや楽しさを提供してくれるクルマであることが素晴らしいと思いました。

そもそもCAFE規制があるから造らなければならなかったクルマなのかもしれないし、他のEVと比べて一充電走行距離が劣るから「都市型シティコミューター」にしなければならなかったのかもしれないけど、そこに全集中(今風!)して造ったからこそ、こんな良いクルマになったんだと思います。

そういう意味ではホンダは戦い方がうまいです。体育のマラソンが苦手だから、短距離走と美術を頑張りました…みたいな。

個人的には、このデザインのままガソリン3ペダルMTを作ってくれたら、マジで人生最後のクルマにするかもなぁ(笑)。

 

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