今回のモデルチェンジで11代目になったホンダ『アコード』。初代『アコード』は1976年登場だから、もうすぐ50周年。兄弟メディア「月刊にいがた」とほぼ同い年です。
本誌は歴史の中でサイズや中身が変わってきましたが、新型『アコード』もサイズやスタイル、走りや安全性など大きく進化したようです。
今回はホンダカーズ新潟中央松崎店さんから試乗車を借りてドライブしてきました。
まず低く構えた伸びやかなフォルムがシンプルにかっこいいです。先代モデルより全長を75ミリ拡大し、よりロー&ワイドになりました。
ファストバックのようなリアへの流麗なシルエットも現代風。アメリカのハイウェイが似合いそうです。
今回、月刊にいがたの連載誌面「このクルマ このシーン」の取材で、あえて背景とのバランスが合わなそうな場所で撮ってみようと、新潟市江南区の亀田公園に行ってきました。
ミニバンが多い公園の駐車場には似合わないかと思いましたが、そうでもないですね。後席から上品な園児が降りてきそう。
ちなみにアコードという車名は『調和』『一致』という意味。まさにどんなシーンでも調和するってことでしょうか。
室内も水平基調のインパネなど伸びやかで居心地よし。ブラックを基調とし、手に振れやすい部分にはソフト素材を使用するなど、上質感あるコーディネートになっています。
ナビやメーター類も大きくて見やすいですし、エアコンやオーディオなどを1つのダイヤルで操作できるエクスペリエンスセレクションダイヤルも便利。
ダイヤルが大きくて操作性にすぐれているとともに、スイッチ類が少なく済むため運転席まわりがスッキリしています。
後席もゆとりたっぷりですし、積載能力も高く、遠出も快適に移動できそう。避暑地のゴルフ場とか似合いそうですね。私、ゴルフやらないけど。
新型『アコード』には2.0ℓエンジンと2モーター内臓電気式CVTを搭載しています。
走り出しからとても静かで快適。モーター駆動ならではのスムーズさは「e:HEV」ならでは。『レジェンド』なき今、ホンダのフラッグシップモデルですから、走りの質はメーカーとしてのプライドをかけて、かなり配慮したのではないでしょうか。
ヘッドアップディスプレイも視認性抜群。ドライブモードがスポーツ・ノーマル・コンフォート・エコと4つあったのでそれぞれチェックしました。
ノーマルを基準にすると、スポーツは引き締められて楽しさがアップ。とはいえ硬すぎることはないです。
コンフォートはノーマルよりもフワフワ感があって快適。とくに新潟バイパスではサスペンションの動きが絶妙で、車内で「これ、い~わ~」と独り言をつぶやいてしまいました。シトロエンの乗り心地にも似ています。このまま新潟西インターから北陸道へ移り、東京まで運転したくなりました。
エコはノーマルに近い乗り心地。出力も普通です。リラックスして移動したいときはいいかも。
全体としては、“『シビック』の文系のお兄ちゃん”という感じ。弟の『シビック』ほど体育会系ではないけれど、勉強ができて運動神経もよい落ち着いたイケメン…といった感じです。
また、ステアリング奥のレバーで操作する減速セレクターが6段もあるので、高速移動から渋滞時まで、シーンに合わせて細かく“エンブレ感覚”を調整できます。
そして新開発のモーションマネジメントシステムを国内ホンダ車で初採用。
この装備は、雨で濡れた道や滑りやすい雪道などさまざまなシーンにおいて、運転者のハンドル操作に応じて、軽い減速をすることで車両の動きを滑らかにし、安定感のあるコーナリングを可能とするそうです。今回の試乗では体感しにくかったです…というか知らず知らずのうちに作動してくれていたのかもですね。
そして20種類の安全機能でドライバーを支援してくれる『ホンダセンシング360(サンロクマル)』も国内ホンダ車では初装備だそうです。
新型『アコード』は、ホンダのフラッグシップモデルとして、走りの質感から安全面などが大幅に進化していました。