新型『ノア』試乗記|ミドルサイズミニバンの快適&実用性は、“これにて完成”でいいと思います

人気ミニバン『ノア』が1月13日、4代目にフルモデルチェンジしました。

TNGAプラットフォーム(GA-C)を初採用し、パワーユニットは2000ccガソリンと1800ccハイブリッドの二種類を用意。

今回、車両をお借りしたのは新潟トヨペット新潟本店さん。試乗車は『Z(7人乗り・ガソリン・FF)』。

ボディカラーはメタルストリームメタリック

デザイン面では、ミニバンの王道スタイルにさらに磨きがかかり、凛々しく精悍。より存在感が増したようです。

このグリル、何かに似ていると思ったら仮面ライダーXや、さらに古くは変身忍者 嵐を彷彿とさせるような…比喩が分かりづらいか(知らない若者は画像を検索!)

一方、兄弟車の『ヴォクシー』は、近年のミニバンに多い、いわゆるオラオラ顔。迫力があってよいのですが、ちょっとやりすぎを感じるような…。新型『ノア』のデザインこそ先代『ヴォクシー』の正常進化顔のように思えちゃいます。

『ヴォクシー』。トヨタ自動車公式HPより引用

「どうせそのうち『ノア』に一本化されるんだろうから、これまでの『ヴォクシー』『エスクァイア』オーナーの多くが『ノア』に移りやすいように、そしてオラオラ顔が好きオーナーを取りこぼすことがないように、あえて新型『ヴォクシー』は極端なオラオラ顔でやっちゃえ!」…だったんじゃないかと妄想をしちゃうほど。

室内はとても広々。それもそのはず、左右のCピラー間の距離を従来より75mmも拡大したそうです。

試乗車はダークブラウンのインテリアカラーと合成皮革+ファブリックのシートを採用。運転席に座った瞬間から上質な雰囲気を感じました。

助手席のオープントレイは、まるで『カントリーマアム』のような、噛んだら「モグッ」としそうなやさしい風合い(笑)。室内をゆったりとした空気にしてくれます。

後席へのアクセスはとってもスムーズ。開口部が広いパワースライドドアを採用するほか、乗り降りのときに握るアシストグリップを大型化(ロング化)しているので、お子さんやご年配の方もラクなはず。

また、ユニバーサルステップ(助手席側)を選べば、スライドドアが開くと同時に下からステップが出てきて、よりスムーズに出入りできます。オプションで選ぶかどうかは別として、この装備が33,000円は安いですよね。

なお、今回の試乗車である7人乗りのセカンドシートにはキャプテンシートを採用。オットマン機構とシートヒーターに加え、折りたたみ式大型サイドテーブルなどを装備しています。

一方、8人乗りのセカンドシートには、3人掛けベンチシートタイプの6:4分割チップアップシートを採用。

どちらもゆとりたっぷりで2列目シートは70cm以上スライド可能です。子どもの着替えどころか、座布団を敷いて将棋が打てるほどの広さ(やらないけど)。

3列目シートは大人が快適に座れるだけの空間を確保するのはもちろん、窓から差し込む光で明るさも十分。ワンタッチで格納できるようになったのはナイスですね。

3列目シート使用時。それでも荷物の積載スペースにゆとりがあります。白く写っているものは雪です。超高速で飛ぶ未確認飛行生物「スカイフィッシュ」ではありません

3列目シートを格納するとこんなに広い!


格納は片手でカンタンにできるようになりました

そして荷物の出し入れ時に便利なのがフリーストップバックドア。バックドアを好きな角度で停止できるんです。これはありそうでなかった世界初の装備。

また、パワーバックドア装着車は、両サイドのリヤクォーターパネルにあるスイッチで開閉操作が可能。普通はバックドアの下部にスイッチがあって、閉じるときにぶつからないよう避ける必要があったので、これは便利だと思います。

さて最後は走り。精悍なデザインから想像して走りはスポーティかと思ったら、予想以上に安定性重視のマイルド指向。そりゃそうか。3列シートのミニバンですもんね。

試乗した時期はまだ雪が多い2月頭。スタッドレスタイヤでビシャビシャなみぞれ道を走りましたが、2WDでも不安なく走りました。

大柄になったボディは全車3ナンバー。そのわりに車幅を感じることなく運転しやすいぞ…と思ったら全車全幅1730mm。

一般的な5ナンバー車のわずかプラス35mm。視認性の良さもあるので運転しやすいです。

また、各種スイッチ類は形状や配置ともに運転中でも操作しやすく、メーターやディスプレイは小柄なドライバーでも見やすいと思います。

そして最新の予防安全パッケージ『トヨタセーフティセンス』を全車に標準装備。

リスクを先読みしてステアリングやブレーキ操作をサポートするプロアクティブドライビングアシストなど、トヨタ車初搭載の機能も搭載しています。

家族など複数で乗ることが多いミニバンだからこそ、安全装備の充実はありがたいですね。

個人的には、4代目は『ヴォクシー』よりも『ノア』がいいなって思いました。今年初夏あたりのデビューが噂されている『ステップワゴン』との比較が楽しみです。


このときは2月上旬。白鳥たち、もう帰っちゃったかな

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