2020-2021日本カー・オブ・ザ・イヤーに輝いた『レヴォーグ』に試乗してきました。
すでにさまざまな試乗記が世に出ていますので、Car&Life Niigataでは「ドライブモードセレクト」のフィーリングを事細かに、一般ドライバーの目線で新潟の町中を走った感想をレポートします(後半にて)。
さて、車両をお借りしたのは、新潟スバル自動車 新潟海老ヶ瀬店。試乗車は上級グレードの『STIスポーツ EX』です。
新たなデザインコンセプト「BOLDER」をスバルの量産車として初めて採用。ワイドに構えたヘキサゴングリルやシャープで切れ味の鋭いヘッドランプが精悍ですね。
室内は、大型センターインフォメーションディスプレイや、フル液晶メーターで構成された先進的なデジタルコクピットを採用。
室内の装飾で個人的に好感がもてるのは、“『レヴォーグ』のターゲットはこんなユーザー像だから、その人たちが好みそうなこんなデザインで、こんな高級素材を使って…”というマーケティング的な匂いがしないことです(←私が勝手に思ってるだけ)。
“どうコレ? おしゃれでしょ?”と、“見て見て私”的な、常に話の主語が自分である自己主張が強い女性のような匂いが感じられないことです(なんのこっちゃ)。
“ステアリングを握るすべてのドライバーのために造りました”という技術者の想いを勝手に感じています。
そしてワゴンとして重要な日常の快適性と実用性もチェック。
従来からの広い荷室スペースに加えて、大容量のサブトランクを新たに採用。荷室総容量が大幅に向上しています。
もちろん後席は大人がゆったり座れます。
でもって本題の「走り」について。
モードチェンジの瞬間、手のひらや腿裏など接触部に伝わる感触がっ!
『レヴォーグ』の走りをざっくり3つのキーワードに分けてみました。
●先進安全→「新世代アイサイト」
●運転サポート→「アイサイトX」
●走行性能・楽しさ→新型1.8・エンジン/プラットフォーム/2ピニオン電動パワーステアリング/ドライブモードセレクト
まずは全車標準装備の「新世代アイサイト」について。
広角化した新開発のステレオカメラに加えて、前後4つのレーダーを組み合わせることで360度センシングを可能としました。
「前側方プリクラッシュブレーキ」「前側方警戒アシスト」「緊急時プリクラッシュステアリング」「エマージェンシーレーンキープアシスト」なども機能があり、これまで以上に幅広いシーンで安全運転をサポートしてくれます。
続いて「アイサイトX」。
GPSや準天頂衛星「みちびき」などからの情報と、車線単位の道路情報を持つ3D高精度地図データを組み合わせることで、クルマの位置を正確に把握。
幅広いシーンでアクセル・ブレーキ・ステアリング操作のアシストを行ない、快適なロングドライブをサポートしてくれます。
「渋滞時ハンズオフアシスト」「渋滞時発進アシスト」「カーブ前速度制御」「料金所前速度制御」「アクティブレーンチェンジアシスト」「ドライバー異常時対応システム」などの機能があります。
そして走行性能について。
新開発1.8ℓ直噴ターボ“DIT”エンジンは、1600回転から300N・mの最大トルクを発生。
3ℓ自然吸気エンジンのトルクと同レベルです。
スタートからパワー十分で力不足を感じるシーンはありませんでした。
そして「スバルグローバルプラットフォーム」を採用していますが、ボディ全体の骨格連続性を高めるフルインナーフレーム構造や、微小な変形を抑える構造用接着剤なども採用することで、さらなる高剛性化と軽量化を実現したそうです。
忠実なハンドリングと、このあと詳しく書きますが、あらゆるドライブセレクトモードで安定感のある走りが印象的でした。
また、モーターアシスト軸とドライバーのステアリング操作軸を別軸にした2ピニオン電動パワーステアリングを採用したことに関しては、これ単体でどれほどリニアなステアリングフィールに貢献したのか、正直わたしには分かりませんでした。
そしてドライブモードセレクトですが、ひと言でいえば、おもろいです(笑)。
モードは「コンフォート」「ノーマル」「スポーツ」「スポーツ+」の4種と、自分で設定を選べる「インディビジュアル」の計5タイプ。
体内センサーが疎い自分なので、「コンフォート」と「スポーツ+」という両極端のモードでその違いを体感してみましたが、だれが運転しても分かるほど走りの性格が変わります。
まず、モードを変えた瞬間、変化が表れたのがステアリングフィール。
手のひらに伝わる触感が違うんです。スイッチを押して「さて、どう変わるのかな?」と身構えた瞬間、手のひらがその変化に気づきました。
「コンフォート」の“滑らか”が、「スポーツ+」の“ダイレクト感”“ゴツさ”に急変しました。
もしかして、こんなに明確に気づけたのは、それこそ2ピニオン電動パワーステアリングおかげなのかも…。
そして乗り心地。
「コンフォート」は長いストロークでしなやかに吸収する感じですが、「スポーツ+」ではストロークが短く、固めでスポーティになりました。減速時の車体の沈み込みが違います。
そして路面とタイヤの接地感も変わりました。
まるでグリップの強いタイヤに履き替えたような…。これはメニューにあるAWDの設定によるもの? モードを切り替えた瞬間、太もも表面の毛にビビッと振動が伝わりました。
シートを通して太ももの裏側の大腿二頭筋から、表側の大腿四頭筋にまで振動がビビビっと届きました。だいたいそんな感じです(なんちゃって)
そしてパワーフィール。
モードを変えた瞬間、ゴーというスポーティな音とともにシフトダウンしたような感覚。
「さぁ、アクセルを踏んでいいぜ!」と『レヴォーグ』に言われているような気分になりました。
個人的には、昔のような水平対向のドコドコ音が楽しめたらなぁと思いました。そんな味付けもね…。まぁ今はもう違うのかな…。
そのほかドライブモードセレクトにより、アイサイトやエアコンの設定も変わります。
ドライブモードセレクトによる走りのキャラクターの変わりようは、まるで善逸か!…といえば今どきですが、さすがにそこまで変化があるわけはありません(笑)。
多くの専門誌で「キャラ変」と表現されていますが、まさにその言葉が似合います。
以上、今回試乗して思ったのことは、スバルの技術者さんの熱さです。
『レヴォーグ』にスバルの“今”を全力でつぎ込んだのかな?…なんてことも考えながらドライブしました。
「最新のポルシェは最良のポルシェ」という言葉があるけど、まさに「最新のスバルは最良のスバル」ということを感じさせてくれた貴重な試乗でした。
MT設定を望むスバリストも多そうだなぁ。
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