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子どもの心を育てる絵本を教えて。(第2回)

絵本は親子にとっての新しい冒険

眞壁伍郎 さん

子どもたちがよい本と出会 えるよう活動する『ブックク ラブおはなしちょうだい』 代表。

新潟大学名誉教授。

 

(第1回からの続き…)

 

――自分流に想像できる余白がある絵本ということですね?
そうそう。

大人はすぐ文字に目が行くけど、子どもは絵を読む天才ですからね。

同じ絵本を読んでも、大人が考えてもいないような世界を頭の中で描いていますよ。
『おはなしちょうだい』でリストアップした絵本もそういうものが多いです。

あとは長く読み継がれてきたもの。

時を経て残ってきた絵本にはやはり力がありますね。

東京こども図書館では「出版されてから 30年経った本を読ませましょう」というくらい。

よい絵本は大人が読んでも面白い。

子どもによい絵本を読んであげることによって、お父さんやお母さんも、わが子の感動する姿に触れます。
――大人が一緒になって絵本を楽しむことが大切なんですね。
もちろんです。

自分たちも楽しまなければ、子どもに面白さは伝わりませんよね。

自分の心が動いていないのに相手の心が動くなんてことはありません。

もうひとつ大切なのは、絵本を読むことによって、子どもは物事にストーリーがあると分かっていくんです。

基本的に賢さって物事のストーリーが見えていることですよね。

今の時代はストーリーではなくて、細切れで身に付けた知識を賢さと勘違いしている気がします。

そういう基本を幼児期に作ってあげることが大切なんです。

この基本が育つのもやっぱり7歳までだと言われていますね。
優れた子どもの絵本は、あらゆる人間の表現についてよいものと悪いものがあり、それを見分ける力を教えてくれます。

絵本に限らず、本とは言葉の文化ですね。

人間は言葉を通して人のことを理解しますから。

「嬉しい」「悲しい」という自分の気持ちだけではなく、言葉があるから他人の人生にも共感することができる。

そこでひとりひとりの存在の大切さや個性が分かると思うんです。

幸せのカタチと言うと大げさだけれど、私たちは自分の人生のストーリーを語り、それを聞いて受け止めてくれる人に出会えることで心の安らぎを得ているんじゃないかと思います。
――そういえば子どもはすぐに「聞いて、教えて」とお話を求めてきますね。
そうそう。

聞き手がいることで、その人なりの人生のストーリーが完成する。

そして、それによって自分の人生を振り返って点検することもできる。

悩んだり塞ぎ込んでいるとき、私たちは思いを言葉にもできない。

だから親子で一緒に楽しもうという状態が心の最も深い根になるわけです。
――子どもに絵本を読んでいると、「これは何?」と聴かれることがしばしばあります。
子どもはある意味で哲学者ですからね。

「これは何?」ってすぐに聞くのも、本質的な問いができるからです。

この子どもの天性を伸ばしてあげることが、個性を育てることに繋がると思うのです。

絵本を通してイメージを広げていく。

それは美しいものから、より深くて美しい世界を見ていけるようになるということです。

これはテレビの中のキラキラした世界とは違います。

自分の心の中で見た景色、感じた気持ちはいつまでも心の中に残るのです。

私たちはそれがよい絵本の力だと思っています。

 

第3回からはブッククラブ「おはなしちょうだい」と選んだ絵本をご紹介します)

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